わさびモドキの備忘録

日本びいきのイギリス人が日々の生活で感じる疑問や発見

記憶

 どこかに何かを置き忘れたとする。その時、あなたの頭の中に一番最初に浮かぶことは何だろうか。


 一般的には、その置き忘れたと思われる場所か、無くした時の状況を視覚的にイメージすることが多いらしい。しかし僕はそういう時、ほぼ視覚的なプロセスを踏まない。音は思い浮かんだりするのだが、映像的なものははっきりとは出てこない。深い霧の中で断片的にものの存在を感じながら、言語化された記憶を辿っていくような感覚だ。


 どうやら、僕は視覚的な情報を言葉にして記憶することが多いようだ。子どもの頃から図形の展開や、カードの絵合わせゲームなど、視覚情報に頼って頼る問題を解くことが非常に苦手であった。周りからは想像力がないと言われ、疎外感を覚えることも多々あった。いまだに絵を記憶したり、人の顔を覚えたりするのは得意ではないが、別段、生活に支障はない。


 言語化しようが、視覚化しようが、記憶は記憶である。これも一つの個性として大事にしていこうと思う。